2011 Fiscal Year Annual Research Report
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21740037
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
保坂 哲也 静岡大学, 理学部, 准教授 (50344908)
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Keywords | CAT(0)空間 / CAT(0)群 / Coxeter群 / Davis複体 / 境界 / quasi-isometry / equivariant同相 / 再構成可能グラフ |
Research Abstract |
非正曲率空間(CAT(0)空間)とその「境界」とよばれる一般に非常に複雑な空間、および、CAT(0)空間に幾何学的に(ココンパクト、等長的、離散的に)作用するCAT(0)群とよばれる群の研究を行った。また、その中でも特にCoxeter群とDavis複体とその境界の研究を中心に行っている。 1.あるCAT(0)群が2つのCAT(0)空間に幾何学的に作用しているとき、その2つのCAT(0)空間の境界は、一般には同相にはならず(C.B.Croke-B.Kleiner(2000))、また、群作用から得られる自然なquasi-isometryが連続的に2つの境界の間の写像を一般には導かないこともBowers-Ruaneの例により知られている。本研究では、群作用から得られる自然なquasi-isometryが連続的に2つの境界の間の同相写像を導くためのある必要十分条件を得た。また、得られた必要十分条件の応用として、Bowers-Ruaneの例とは異なるquasi-sometryが連続的に2つの境界の間の写像を導かない簡単なしかし本質的な例を構成している。 2.Coxeter群のコホモロジーに関する結果を考察し、グラフ理論に対応させて研究を進めた結果、再構成可能なグラフのクラスの研究をコホモロジーを用いて更に進展させた。 3.広島工業大学の知念直紹氏との共同研究により、CAT(0)群およびCAT(0)空間の境界、その中でも特に、hyperbolic right-angled Coxeter群とそのDavis複体の境界について、低次元の場合にどのような位相空間がでてくるのかという問題に関して、研究を進展させている。 4.Coxeter群がいつCoxeter系を決定するのか、というCoxeter群の代数的なrigidityの問題に関しても、これまでに得られた研究成果から、さらに進展を得ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的にあげていた、CAT(0)群が2つのCAT(0)空間に幾何学的に作用するときに、群作用から自然に得られるquasi-isometryが連続的に2つの境界の間の同相写像を導くためのある必要十分条件を得ることができたため。また、応用として、quasi-isometryが連続的に2つの境界の間の写像を導かない簡単なしかし本質的な例を構成できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
CAT(0)群が2つのCAT(0)空間に幾何学的に作用するときに、群作用から自然に得られるquasi-isometryが連続的に2つの境界の間の同相写像を導くための今回得られた必要十分条件の応用について、より研究を深め、進展させたい。 .また、広島工業大学の知念直紹氏との共同研究により、hyperbolic fight-angled Coxeter群とそのDavis複体の境界について、低次元の場合にどのような位相空間がでてくるのかという問題に対して、研究をより進展させる。
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Research Products
(4 results)