2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740042
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
田中 心 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (70448950)
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Keywords | トポロジー / 曲面結び目 / 結び目 / カンドル |
Research Abstract |
平成23年度も前年度までに引き続き,Crossed moduleを用いて定義されるMartinの彩色不変量の理解とその拡張を試みた.Crossed moduleとquandleとの間の関係に着目し,図式を用いて再構成することを試みたが,残念ながら未だ成功に至らなかった.これは今後の大きな課題である. カンドルを用いた研究に関しては,以下の成果を得た.カンドル彩色数と曲面結び目のシート数に関して,神戸大学の佐藤氏の結果を拡張した.佐藤氏は,5彩色可能な球面結び目と7彩色可能な球面結び目に関する成果を得ていたが,我々は11彩色可能な球面結び目のシート数は7以上であることを示した.応用として,スパン6_2球面結び目のシート数が7であることを決定した.これは,東京学芸大学の宇野剛史氏との共同研究である. また,Nelson氏によるラック彩色数を用いた結び目不変量に関して,カンドルとの関係を考察した.Andruskiewitsch氏-Grana氏らは,ラックから自然に得られるラック自己同型写像を用いて,ラックからカンドルを構成した.彼らの構成したカンドルを用いることで,Nelson氏の不変量の構造がある程度分かってきた.この成果については,まだ進展の余地があるため,現在も研究遂行中である.これは,東京学芸大学の谷口裕麻氏との共同研究である. 本年度は,新たに一本の論文が採録された.また,国内外の研究集会やセミナーに出席し,専門知識を修得すると共に,様々な結び目理論研究者と議論を交わした.その際の旅費を科研費から捻出した.
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Research Products
(3 results)