2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740043
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
本多 宣博 東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (60311809)
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Keywords | ツイスター空間 / 自己双対計量 / 有理写像 / 二重被覆 / 分岐因子 / 双有理変換 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、代数的なツイスター空間の構造解析を行った。今年度は特に4つの複素射影平面の連結和の上の代数的なツイスター空間の分類を与えた。分類結果はツイスター空間上の反標準写像の構造により次のように与えられる。すなわち(i)反標準写像は像の上に双有理(ii)反標準写像は像の上に2対1(iii)反標準写像は像が2次元、のいずれかになる。また、これらの各場合に対して、反標準系の次元、および射影空間の中での像の定義多項式を完全に具体的に与えた.(ほとんどの場合に像は完全交叉になる。)また(iii)の場合には像は通常二重点をもつ有理曲面であり、一般ファイバーが非特異有理曲線になることを示した。 これら3つの場合のうち、(i)と(iii)は既知のツイスター空間で尽きている(すなわち新しいツイスター空間は現れない)ことが予想される。したがって(ii)の場合が興味が持たれる.そこでこの場合を詳しく調べて、これらのツイスター空間が幾何的な構造によりさらに4つのタイプに分類できることを示した.そしてこれら4つのタイプのうちもっとも一般なタイプのツイスター空間の構造を、反標準写像を使って詳しく調べ、反標準系の不確定点解消、二重被覆写像(=反標準写像)の分岐因子、ツイスター空間の具体的な構成方法、およびモジュライ空間の次元を与えた。分岐因子の定義方程式の類似性から、この結果は1990年代初頭のPoon,Kreussler-Kurkeによる3CP^2のツイスター空間に関する研究の、4CP^2への一般化と見なすことができる。残り3つのタイプのツイスター空間に対して同様の結果を得ること、およびこれらの「二重被覆ツイスター空間」をnCP^2,n>4の場合に一般化することは次年度の課題である。
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