2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740043
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
本多 宣博 東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (60311809)
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Keywords | ツイスター空間 / Moishezon多様体 / 自己双対計量 / 双有理変換 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、代数的ツイスター空間の明示的構成に関する研究を行った。考察の対象となる4次元多様体は複素射影平面の連結和である。3つ以下の連結和の場合には1990年代初頭に行われた研究で分類が与えられている。昨年度の研究で、4つの連結和の場合に代数的なツイスター空間を分類した。すなわち反標準写像は(i)像の上に2対1,(ii)像の上に双有理、(iii)像が2次元、のいずれかを満たし、実際にこれら3つの場合がすべてが起こる。本年度は、(i)の場合についてより詳細な研究を行った。その結果、(i)のタイプのツイスター空間は反標準系の固定点の構造により4種類の空間に分類することができることがわかった。そこでそれぞれの場合について、固定点の解消を具体的に与え、それを用いて二重被覆写像の分岐因子の定義方程式を具体的な形で決定した。また、これらすべてのツイスター空間に対してそのモジュライ空間の次元を計算した。これらの研究結果を(昨年度得られた結果と合わせて)一本の論文にまとめ直し、arXivで公表した。 以上の研究により、次の問題は5つ以上の連結和の場合に代数的なツイスター空間の分類を行うことに移った。このようなツイスター空間は、これまでの筆者の研究により特に(iii)のタイプのものに関しては多くの具体例が見つかっている。そこで今年度は(i)のタイプのツイスター空間に関して研究を行った。その結果、反標準系の(n-2)/2倍が像の上に2対1写像を引き起こすような一連のツイスター空間を見いだした。さらにこの2重被覆写像の分岐因子も具体的に決定した。これらの結果を一本の論文にまとめ、arXivで公表した。 またこの研究の過程で、反標準系の(2n-6)/2倍が像の上に2対1写像を引き起こすツイスダー空間があることがわかった。その構造を調べることは今後の課題である。
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