2009 Fiscal Year Annual Research Report
トレリ群とラグランジュ型写像類群のコホモロジー環の構造
Project/Area Number |
21740044
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
逆井 卓也 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 助教 (60451902)
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Keywords | 位相幾何学 / 写像類群 / トレリ群 |
Research Abstract |
ラグランジュ型写像類群に特化したJohnson-Morita理論の展開とそれに関連したホモロジーの計算について,最初の作業として,第2Johnson-Morita準同型の像空間のZ-加群としての構造を,これまでに知られていた横溝勇次氏の結果を踏まえて,グラフを用いて記述し直した.その成果は今後の研究へと繋がっていくステップであるとともに,東京農工大学の合田洋氏と共同で行っている,Johnson-Morita理論の結び目理論への応用の研究において重要な役割を果たした. ラグランジュ型写像類群のホモロジーに関するこれまでの研究を論文にまとめ,プレプリン下として発表した.その際に奇数番目のMorita-Miller-Mumford(MMM)類がすべて消滅するという結果について,同時期に出されたJ.~Giansiracusa-U.~Tillmannのプレプリントとの直接的な関連が見つかり,偶数番目のMMM類の振る舞いについて彼らと意見交換を行った.また,この論文の内容に関して,中国での国際集会や,オーフス大学,ボン大学において講演を行い,現地の数学者と議論を通った.その中で,論文内の種数3の写像類群の2次ホモロジーの決定の結果を踏まえた,より高次のホモロジーの計算に関して,その方針を得た.加えて,国内の研究集会で講演した際に,幾何学的なアプローチについて意見をいただくことができ,これまでとは別の視点からの研究の可能性が得られた. ラグランジュ型写像類群が有限表示可能かどうかという問題については,その群が作用する複体の構造を調べたものの,残念ながら解答を得ることができなかった.次年度も引き続き考察を行っていく予定である.
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Research Products
(2 results)