2011 Fiscal Year Annual Research Report
トレリ群とラグランジュ型写像類群のコホモロジー環の構造
Project/Area Number |
21740044
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
逆井 卓也 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (60451902)
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Keywords | 位相幾何学 / 写像類群 / トレリ群 |
Research Abstract |
本年度の成果は次の通りである: 1.ラグランジュ型写像類群Lgに特化したJohnson-Morita理論の展開に関して,森田茂之,鈴木正明氏との共同研究により,写像類群の第6Johnson準同型の像を決定することに成功した.その中で,第5までのJohnson準同型の像を決定する際に見られなかった「榎本-佐藤障害では判定できない項」が存在することを直接的な方法により証明した.このような現象はより高次の場合にも現れることが考えられ,今後更に精密な判定方法及びそれらの項の存在理由の解明が必要であることがわかった.また,Johnson準同型の像を含むLie代数の対称性に関する結果を与えた.これらの結果はLgに対するJohnson準同型に直接的に応用できるものとなっている. 2.Johnson準同型の像を含むいくつかのLie代数に関して,そのアーベル化の計算を行った(森田茂之氏,鈴木正明氏との共同研究).とくに「associative case」と呼ばれる状況においてはアーベル化を完全に決定し,その応用としてリーマン面のモジュライ空間の最高次有理ホモロジー群が消滅するという重要な結果を得た.以上の結果を論文にまとめ,プレプリントとして発表した.また,「Lie case」と呼ばれる状況についても,1の結果と関連して,アーベル化に現れる新たな項の具体的記述を与えた.この場合のアーベル化の完全な記述については更なる研究が必要である. 以上に加えて今年度は本研究の内容をまとめる論文として"Lagrangian mapping class groups from a group homological point of view"を雑誌Algebraic & Geometric Topology(12巻,pp.267-291, 2012)から出版した.
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Research Products
(8 results)