2010 Fiscal Year Annual Research Report
非コンパクト空間上の幾何解析と無限次元モジュライ空間の幾何
Project/Area Number |
21740048
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
塚本 真輝 京都大学, 理学研究科, 助教 (70527879)
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Keywords | 非コンパクト / 無限次元 / モジュライ |
Research Abstract |
タウベスの20年以上前の有名な結果として、次の定理がある:任意のコンパクト、向き付き、4次元リーマン多様体上には非平坦なインスタントンが必ず存在する。(ここで、ゲージ群は2次の特殊ユニタリー群である。また、インスタントンとは、ヤン・ミルズ汎関数が有限の反自己双対接続のこととする。以下も同様。)これに対して、私は次のことを証明し、論文にまとめた:非コンパクト、向き付き、4次元完備リーマン多様体であって、非平坦なインスタントンを持たないものが存在する。私が知る限りにおいて、このような多様体の存在はこれまで知られていなかった。構成の手法は次の通り:まず、複素射影平面の無限個の連結和を考える。そして、適当なコンパクト集合の外では周期的な計量になるようなリーマン計量達の中に:うまく、上の性質をもつものが存在することを証明する。(倉西の方法を、障害が無限次元ある状況に応用し、フリード・ウーレンベックの計量摂動の手法を用いている。)上の結果は開4次元多様体上のゲージ理論に対して、本質的な貢献であると考えている。この研究とともに、無限次元力学系の「平均次元」という不変量(グロモフによって定義された)の研究をつづけており、また、それと思想的に関連している「力学モース不等式」(バーテルソンとグロモフによって提案された、漸近的無限次元空間上のモース理論)の研究も行っている。後者については、40年以上前にアルティンとメーザーによってなされた力学系の仕事とのアナロジーをたどることで、代数幾何と実代数幾何の手法を活用するというアイデアを追及している。
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[Presentation] 平均次元入門2011
Author(s)
塚本真輝
Organizer
フラクタルの数学的諸相
Place of Presentation
かんぽの宿 山代(石川県)(招待講演)
Year and Date
2011-02-22
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