2011 Fiscal Year Annual Research Report
リーマン面のモジュライ空間の関数としてのリーマン面上の調和体積
Project/Area Number |
21740057
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Research Institution | Kisarazu National College of Technology |
Principal Investigator |
田所 勇樹 木更津工業高等専門学校, 基礎学系, 准教授 (10435414)
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Keywords | 調和体積 / 反復積分 / リーマン面 / モジュライ空間 / トポロジー |
Research Abstract |
私はRiemann面の複素構造の違いに興味を持ち,研究を行っている.調和体積は,調和1形式に関するChenの反復積分を用いてHarrisにより定義され,複素構造のみに依存して決まる.調和体積を調べることにより,複素構造の違いを知ることが当面の目標である. 調和体積を求めることにより,Femat商曲線のヤコビ代数多様体のCeresaサイクルの非自明性を示すアルゴリズムについて書いた論文は現在も投稿中である.これによって,研究目的の一つである「ヤコビ代数多様体におけるCeresaサイクルが代数的に非自明であるようなRiemann面を生成するアルゴリズムの導出」は達成された. もう一つの研究目的である「特殊なRiemann面,およびリーマン面のモジュライ空間におけるその近傍のRiemann面族の調和体積・高次元調和体積の決定」を実現するために,代数曲線として表されるRiemann面の調和体積の計算を実行した.その方向での大きな進展はなかったが,その際に出てきたRiemann面の周期行列の計算手法について整理し,公開する準備をしている. 国内の4つの研究集会に参加し研究者と議論を交わしたが,その際の旅費を科研費から捻出した.2つのセミナーで講演を行い,いくつかの助言を得た.本研究を進めるために,Riemann面,トポロジー,複素解析に関連する書籍およびノートPCを適宜購入した.
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