2009 Fiscal Year Annual Research Report
離散凸関数の制約付き最適化問題に対する高速高精度なアルゴリズムの構築
Project/Area Number |
21740060
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
塩浦 昭義 Tohoku University, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (10296882)
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Keywords | 離散凸関数 / 組合せ最適化 / アルゴリズム / 数理計画 / 近似アルゴリズム / 劣モジュラ関数 / マトロスド / 離散最適化 |
Research Abstract |
本研究の目的は,M凸関数およびL凸関数を目的関数とする制約付き最適化問題に対し,効率的なアルゴリズムを構築することである.具体的な研究テーマとして主に3つの課題を挙げているが,そのうち2つの課題については以下のような進展があった. まず,一つの線形不等式制約(ナップサック制約)の下でのM凹関数最大化問題について検討を行なった.この問題はNP困難という,計算困難な問題であるので,効率的な近似アルゴリズムを提案することが目的である.この問題はナップサック制約の下での劣モジュラ関数最大化問題の特殊ケースであることから,(1-1/e)近似(eは自然対数の底)が可能であることがわかっている.この近似精度を上回るアルゴリズムを構築することが最終的な目的である.そのために,その実現のために,ナップサック制約及びマトロイド制約の下での線形関数最大化問題に対する既存の文献を調査し,それに対する近似アルゴリズムが我々の問題に拡張可能かどうか検討した.その結果,様々な修正を施すことにより,拡張が可能であることがわかってきた.今後はその詳細について詰める予定である. また,「近傍システム」と呼ばれる,良い組合せ構造をもつ整数格子点集合についての研究を行なった.組合せ最適化(離散最適化)の分野においてこれまで,様々な「良い組合せ構造」が提案されてきたが,この近傍システムはこれらの概念を特殊ケースとして含む,より一般的な概念である.本年度は近傍システムの構造を詳しく調査すると共に,近傍システム上での分離凸関数最小化について検討を行なった.その結果,既存の「良い組合せ構造」との関係が明らかになるとともに,分離凸関数最小化が効率的に出来ることがわかってきた.
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Research Products
(4 results)