2011 Fiscal Year Annual Research Report
離散凸関数の制約付き最適化問題に対する高速高精度なアルゴリズムの構築
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21740060
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| Research Institution | Tohoku University |
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Principal Investigator |
塩浦 昭義 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (10296882)
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| Keywords | 離散凸関数 / 組合せ最適化 / アルゴリズム / 数理計画 / 近似アルゴリズム / 劣モジュラ関数 / マトロイド / 離散最適化 |
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| Research Abstract |
本研究の目的は,M凸関数およびL凸関数を目的関数とする最適化問題に対し,効率的なアルゴリズムを構築することである.本年度はまず,複数の線形不等式制約(ナップサック制約)の下でのM凹関数最大化問題について検討を行なった.M凹関数は劣モジュラ関数の特殊ケースであるため,劣モジュラ関数に対する既存の(1-1/e)近似解法が適用できるが,本研究では,M凹関数の良い構造を利用してより良い精度の近似解法を構築することが目標である.昨年度の研究成果により,これに対し,2010年9月にGrandoniとZenklusenが発表した近似解法の技法が我々の問題に適用でき,それにより多項式時間近似スキームが構築出来そうであることがわかった.このアプローチを成功させるためには,M凹関数の「凹閉包」と呼ばれる,連続変数に関する凹関数への拡張を効率的に計算する必要がある.本年度はこの点について検討を行った.離散凸解析の研究成果を利用することにより,M凹関数の「凹閉包」は組合せ的な手法により計算可能であることを示した.この成果は国内外で発表しており,他の研究者から高い評価を得ている.
本年度はさらに,「グラフで表現可能な」効用関数に関する財の配分問題を考え,いくつかの重要なケースに対する近似アルゴリズムを提案した.グラフで表現可能な効用関数は,簡潔な表現をもつため,理論的にも実用的にも有用な効用関数のクラスである.この関数が劣モジュラ及び優モジュラであるための必要十分条件を与えると共に,それぞれの場合において効率的かつ高精度な近似アルゴリズムを構築した.
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