2010 Fiscal Year Annual Research Report
単体的複体の部分構造および極小反例に基づく位相幾何学的組合せ論の研究
Project/Area Number |
21740062
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
八森 正泰 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (00344862)
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Keywords | 単体的複体 / shellability / obstruction / pure-skeleton / sequentially Cohen-Macaulay / Partitionability |
Research Abstract |
本研究は位相幾何学的組合せ論の研究として、単体的複体の組合せ構造の研究をマイナー操作に関する極小反例の研究を軸として進めることを目標としている。昨年度は2次元の場合について、頂点集合の制限をマイナー操作とした場合の、shellability,partitionability,sequential Cohen-Macaulayness等の極小反例の理論を完成させたが、今年度は3次元以上についての理論を展開する手段を探ることを課題としていた。3次元以上の場合への取り組みについては、昨年度にリンクをマイナー操作として追加した場合の極小反例への影響から3次元以上への手掛かりを与えていたが、今年度はこれとは別の切り口で、単体的複体のpure-skeletonとの関係について研究を進めた。その中で、「Obstruction to shellability(shellabilityに関する頂点集合の制限をマイナー操作とした場合の極小反例)は最高次元のpure-skeletonのみnonshellableで残りの次元のpure-skeletonはすべてshellable」という予想を立て、これが3次元については成立することを示した。これは下記の口頭発表の1件目と3件目において発表した。この他、関連して、グラフのindependence complexという単体的複体のトポロジーを調べる研究もおこなった。 また、これとは別に、昨年度投稿中であった論文については、改訂作業の中でさらにいくつか証明をクリアに書き換える改善を加えた。この論文は受理され、出版予定も決まっているが、23年度の出版となるため、来年度の実績報告書に記載されることになり、今年度の報告書には記載されない。また、今年度はこの他に23年3月に日本数学会での発表(招待)の予定があったが、震災により中止されたことを付記する。
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