2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740069
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
矢野 裕子 京都大学, 理学研究科, 助教 (10337462)
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Keywords | 確率論 / 確率過程論 / 極限定理 / 処罰問題 / ブラウン運動 / マルコフ過程 / レヴィ過程 / 拡散過程 |
Research Abstract |
平成22年度は,平成21年度に引き続き安定レヴィ過程の最大値過程による処罰問題を考察した.この問題は,矢野-矢野-Yor(2009)による先行結果である原点局所時間及びカッツ消滅型汎関数による処罰問題とは本質的に異なるため,解決には別のアプローチを必要とした.本年度の研究で明らかになったことは以下の通りである. (1)最大値処罰問題がChaumont(1996)によって導入されたレヴィ過程の二つの調和変換過程と深く関連することを明らかにし,最大値処罰を支配するシグマ有限測度を構成した.また,その証明のために,レヴィ過程の最大値における経路積分公式を導出した.(現在論文を投稿中) また,拡散過程の滞在時間による処罰問題を現在考察中である.処罰問題に関連する興味深い問題である拡散過程の滞在時間分布に関する研究において以下に挙げる結果を得た. (2)梶野直孝氏,熊谷隆氏,M.Kwasnicki氏,渡辺信三氏との共同研究において,フラクタル上の拡散過程の片側滞在時間分布について考察し,矢野-矢野-渡辺(2005)を応用することにより分布密度関数の端点における漸近挙動を決定した.(現在論文を投稿準備中) (3)(2)の結果の拡張として,マルチレイ上の拡散過程の滞在時間同時分布を考察し,一般化されたウィリアムズ公式及び二重ラプラス変換公式を得,更に原点局所時間とその逆過程の分布密度関数による滞在時間同時分布密度の表現公式を得た.(現在論文を投稿準備中)
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