2011 Fiscal Year Annual Research Report
セミマルチンゲールに対する離散観測推定の理論と実装
Project/Area Number |
21740073
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清水 泰隆 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (70423085)
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Keywords | 統計数学 / 確率過程 / 漸近理論 |
Research Abstract |
本年度はジャンプ型の確率微分方程式に対する具体的な擬似情報量規準の構築とその漸近特性に関する研究を行った.特に,ジャンプが複合ボアソン的な場合について,本課題の初年度のパラメータ推定法の結果を用いて擬似尤度に基づく情報量規準の構築と大標本下での漸近的性質の研究を行った. 情報量規準は,連続時間型尤度の離散観測によるある種の近似を元に構成したが、モデルの連続部分(拡散項)の係数の制約を受けない構成に成功したため,非常に広範囲なモデルに適用可能な規準となっている.ジャンプ項の係数については若干の制約を拭いきれなかったが,目標の一つとしていた保険リスクモデルへの適用には十分耐えうるものである.その漸近的性質については予想していたものであり,特に(1次の)漸近期待値不偏性という,伝統的な情報量規準の観点からも自然で、統計的に望ましい性質を持つものであることが明らかとなった. 計算機実装に関する準備も進めた。初年度に理論化したジャンプ型モデル推測のための離散観測によるジャンプ判別フィルターの選択の部分のアルゴリズムが、現段階では時間がかかりすぎるものとなっており、最適化の工夫などを通して実行速度を上げることを目標に実装を進めているが、未だ完成には至っていない。
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Research Products
(7 results)