2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740078
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田上 大助 Kyushu University, 大学院・数理学研究院, 准教授 (40315122)
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Keywords | 粘弾性流れ問題 / 3体ナヴィエ・ストークス方程式 / 有限要素法 / 圧力安定化有限要素法 / 最適誤差評価 / PCクラスター |
Research Abstract |
1.3体ナヴィエ・ストークス方程式の有限要素解析 本段階で対象とする問題に対する有限要素方程式は,本研究課題の最終的な目的である非線形粘弾性流れ問題の構成方程式に現れる流速1階微分と非ニュートン応力からなる非線形項を線形化した問題に対する有限要素方程式と対応している.したがって,本段階で対象とする問題の有限要素解析を行うことで,最終的な誤差評価に必要な有限要素方程式の安定性に関して,基礎的な知見を得ることが期待できる.今年度は,研究代表者がこれまでに非定常熱対流問題などの有限要素解析で得た様々な非線形残差項の評価,特に,離散グロンウォル不等武の適用手法などを応用することで,最適な誤差評価を得ることができた.なお得られた誤差評価は,流速と圧力の近似空間の組合せが下限上限条件を満たすような,通常の適合型有限要素(例えば流速・圧力・非ニュートン応力の近似にP2/P1/P1要素)を用いる場合だけでなく,将来の大規模3次元計算を念頭に,圧力安定化された適合型有限要素(例えば流速・圧力・非ニュートン応力の近似にP1/P1/P1要素)を用いる場合に対しても証明を行った. 2.3体ナヴィエ・ストークス方程式の有限要素計算と3次元大規模計算の準備 前頂で述べた有限要素計算手法を計算機に実装し,通常の適合型有限要素および圧力安定化された適合型有限要素それぞれを用いた場合において,理論的に得られた最適な誤差評価を数値実験によって確認した.また将来の問題の大規模3次元計算への準備として,ある熱対流問題および光波散乱問題に対する有限要素計算とある静磁場問題の領域分割法に関する数学的正当化を行った.
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