2009 Fiscal Year Annual Research Report
移動境界の数値的追跡法、そして界面運動の数理解析に関する研究
Project/Area Number |
21740079
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
矢崎 成俊 University of Miyazaki, 工学部, 准教授 (00323874)
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Keywords | クリスタライン曲率流 / 移動境界問題の数値解法 / 折れ線曲率流 / 負結晶成長 / ヘレ・ショウセル / 非局所的アレン・カーン方程式 / 泡運動 / 勾配流 |
Research Abstract |
当該年度の交付申請書に記載した研究目的の主要テーマのキーワードは以下の6つである。 (1) クリスタライン曲率流(2) 移動境界問題の数値解法(3) 折れ線曲率流(4) 負結晶(空像)成長のモデリング(5) 縦置きHele-Shawセル中を上昇する泡運動(6) 非等方的面積保存曲率流これらのキーワードに対して、それぞれ以下のように研究を遂行し、また現在も研究を継続している。(1) 爆発現象、特に爆発のオーダーについて得られた結果を集約している。(2) クリスタライン曲率流の数値的安定性のからくりを利用した曲率調整型の移動境界追跡法を開発したが、現在までに、保存量や減少量など、方程式のもつ性質を保存するスキームを開発中である。(3) 性質保存型の半離散移動境界問題としてクリスタライン曲率流をある意味で拡張した折れ線曲率流を提案した。(4) 負結晶(空像、蒸気像)の素朴なモデルとして面積保存クリスタライン曲率流を提案し、現在、その挙動の数学的結果を集約している。(5) 隙間が時間依存する横置きHele-Shawセルの数値計算を境界要素法と(2)で開発した移動境界追跡法を組み合わせて行い、良好な結果が得られた。現在、この方法を縦置きHele-Shawセル中を上昇する泡運動のモデルに適用できるか研究中である。(6) 非局所的Allen-Cahn方程式を用いた非等方的面積保存曲率流の研究を遂行した。このスキームは非等方性がクリスタライン的に非常に強い場合にも対応ができものである。現在、このスキームが性質保存できるように改良中である。
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