2009 Fiscal Year Annual Research Report
分割表解析における対称性のモデル構築とその直交分解の研究
Project/Area Number |
21740084
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
田畑 耕治 Tokyo University of Science, 理工学部・情報科学科, 助教 (30453814)
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Keywords | 統計数学 / 分割表解析 |
Research Abstract |
下記の1から4の各項目は研究発表の雑誌論文に対応しています: 1. 本研究では,非対称性のモデルに対して,一般的な分割表解析において導出された独立モデルの分解定理を応用することにより,非対称性のモデルの分解定理を導出した.さらにそれらのモデルの適合度検定統計量の直交分解を導出した. 2. 対称モデルは制約のつよいモデルであり,データに適合することは多くない.したがって,その制約を緩めた新しいモデルを導入した。また,そのモデルが成り立たないときに,モデルからの隔たりを測る尺度を導入した.尺度は複数の分割表データの比較に役立っ. 3. 多元分割表において,新たな非対称性のモデルを導入した.そしてそのモデルを用いて対称モデルの分解定理および検定統計量の直交性を導出した. 4. 連続型分布である二変量正規分布に従う確率変数をいくつかのカットポイントで離散化して得られる分割表データを考える.そのようなデータにうまく適合すると思われるモデルを本研究で導入した.このモデルのパラメータを推定することにより今まで得られていない結果と解釈を得た. これらの研究成果とは別に,情報幾何学とグラフィカルモデリングの基礎的内容の習得に務めた現時点では,まだ上記の研究成果にこれらの理論を適用して新しい結果を得るまでには至っていない.今後は,上に述べた新たな対称・非対称性のモデルやモデルの直交分解に対して情報幾何学やグラフィカルモデリングを用いた解釈などに関する研究をすすめる予定である.
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