2010 Fiscal Year Annual Research Report
代数的不変量に着目した閉曲面上のグラフの変形に関する研究
Project/Area Number |
21740088
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Research Institution | Tsuruoka National College of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 有祐 鶴岡工業高等専門学校, 総合科学科, 准教授 (10390402)
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Keywords | グラフ / 閉曲面 / 局所変形 / モノドロミー / 三角形分割 / 偶三角形分割 |
Research Abstract |
21年度に引き続き,「一般の三角形分割の対角変形」に対応する「偶三角形分割のN-変形」に焦点を当てて研究を進めている.(「N-変形」はグラフの頂点の偶奇性を保存するだけではなく,閉曲面のS_3-モノドロミーという代数的不変量も保存する.これまでの研究により,これらの豊かな性質が次々と明らかになってきている.)この課題研究における22年度(2年目)には,引き続き周辺の研究情報を収集するとともに,昨年証明済みであった「射影平面上のk-既約四角形分割のY-rotation」の議論を精密化し,論文にまとめる作業を行った.(2011年出版のJournal of Graph Theoryに掲載決定.「Y-rotation」も閉曲面固有の性質を保存する局所変形である.)さらに,この結果を一般の閉曲面上の既約四角形分割に拡張すべく,研究を継続中である.(向き付け可能な閉曲面に限った結果は,1990年にSchri jverが証明済みである.)Schri jverはグラフの双対をとり,それを曲面上の閉曲線の束とみなして証明を行っているが,この方法はやはり向き付け可能な閉曲面に対してのみ有効な方法と思われる.我々は,もとの四角形分割の「Y-rotation」にこだわり,向き付け可能,不可能を問わないよりシンプルな証明を行いたいと考えている.「N-変形」や「Y-rotation」を通じて閉曲面のグラフの局所変形の本質を見極めるべく,さらに研究を継続中である.
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Research Products
(11 results)