2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740090
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
伊藤 健一 筑波大学, 数理物質系, 講師 (90512509)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 数理物理 / 関数方程式論 / リーマン多様体 / スペクトル幾何 / シュレーディンガー方程式 / 差分方程式 / 多体問題 |
Research Abstract |
1.多体シュレーディンガー作用素に対する正の固有値の非存在 前年度の多様体上での埋め込まれた固有値の非存在の証明で用いた方法を応用して,中心核を持つ多体系に対して上記の事実を証明した.多体系では一般にポテンシャルの減衰しない方向が現れることがその解析の難しさの大きな要因である.中心核モデルではそれに加えさらに障害物が無限遠方に伸びる.本研究結果の証明は,これまでと同様に,固有関数が遠方で超指数減衰することと超指数減衰する固有関数が存在しないことの二段階の証明を経て行われるが,この二つのステップで異なる距離関数を用いることが本結果の鍵となっている. 2.1次元離散シュレーディンガー作用素のレゾルベントの閾値まわりでの漸近展開 上記のテーマについて詳細な解析を行い,漸近展開の展開係数と固有空間との間の関係について完全分類を行った.ポテンシャル摂動項に対して一般ヒルベルト空間を通じた分解を仮定することで,元の空間における問題をそのヒルベルト空間における問題に帰着させ,計算を行った.本研究における仮定はこの種の問題における仮定としては十分に一般な状況を含んでおり,特に非局所的な摂動をも許す.証明の過程では1次元離散空間上の作用素であるという事実は本質的には用いておらず,連続空間や多次元の場合にも応用が期待される重要な結果と考えている.まだ,未公開であるが,近日中に公開する予定である. 3.多様体上でのレゾルベントのベソフ有界性 多様体上での埋め込まれた固有値の非存在の証明に用いた道具立てを利用して,簡潔な方法でレゾルベントのベソフ有界性を得ることが出来た.出来るだけ早く公開できるようにしたい.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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