2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740091
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
伊藤 弘道 Gunma University, 大学院・工学研究科, 助教 (30400790)
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Keywords | 線形弾性体方程式 / 破壊力学 / き裂 / 逆問題 / 非破壊検査 / 摩擦 / 非貫通条件 |
Research Abstract |
1.破壊現象の理論的解析のために、Texas A & M UniversityのK.R.Rajagopal教授と非線形弾性体モデルについての共同研究を行った。その結果、今まで理論的研究の主流であった線形弾性体よりも適用範囲の広い新しい非線形弾性体モデルについての知見を得た。そして、き裂を含む場合においてそのモデルの境界値問題に対する弱解の一意存在性を示した。さらにその解のき裂先端における解の挙動についても考察したが、支配方程式の非線形性により結果を得るまでには至っておらず、現在も、他のモデルの場合も含め研究中である。 2.1.における非線形方程式の解のき裂先端の挙動を調べるための第一段階として、2つの異なる線形弾性体の界面上のき裂に非線形境界条件(摩擦効果を取り入れた非貫通条件)を課した問題について、University of GrazのV.A.Kovtunenko氏と慶應義塾大学の谷温之教授との共同研究を行った。その結果、この境界値問題の解の存在性を示し、その解のき裂先端近傍での収束級数展開を導出した。この結果はKovtunenko氏、谷氏との共著論文として国際学術誌に投稿中である。 3.非破壊検査に関わる境界値逆問題について、群馬大学池畠優教授の囲い込み法を援用し、2次元等方均質な線形弾性体における多角形空洞の逆問題を考察した。また同時に、この問題を解く鍵となる多角形頂点近傍での境界値問題の解の収束級数展開を導出した。その結果、物体の境界における一組の観測データから未知の多角形空洞の凸包を再構成する公式を確立した。この結果の特徴は、データ(表面にかける応力と対応する変位)や未知の空洞の直径について何ら制約条件が不要な事である。またこの結果は池畠氏との共著論文としてInverse Problemsに掲載された。
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Research Products
(9 results)