2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740092
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三浦 英之 大阪大学, 理学研究科, 助教 (20431497)
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Keywords | Navier-Stokes方程式 / 流体力学 / Landau解 / 外部問題 |
Research Abstract |
今年度は,British Columbia大学(カナダ)のTai-PengTsai氏,Sungkyunkwan大学(韓国)のKyungkeunKang氏(現Yonsei大学)と共同で,非圧縮粘性流体の運動を記述する非圧縮Navier-Stokes方程式の外部問題について研究を行った,この問題については古くから多くの研究が行われているが,最近A.Korolev氏とV.Sverak氏によって,大きさに対する適当な条件下では定常解の空間遠方での挙動が,ある自己相似解の族によって特徴付けされることを証明された.この解の族はL.Landauらによって発見されたので,Landau解とも呼ばれている.以前から空間遠方での挙動についてはいくつかの結果が知られていたが,具体的な特殊解によって無限遠方での漸近形を与えた結果は彼らのものが初めてであった.我々は非定常問題におけるLandau解の役割について考察を行い,時間周期的な小さい解の空間遠方での挙動が,あるLandau解によって特徴付けされることを証明した.今回の結果は,Korolev-Sverakの結果の拡張となっているが,解が時間依存するものであっても,その無限遠方での漸近形は,ある一つの定常解によって与えられることを示しているところが興味深いと思われる。研究代表者の知る限り,他の方程式に対してもこの種の結果は知られていない.また,これに関連して外部問題の非斉次境界条件における可解性について研究を行い,時間周期的な条件を扱うことにできる自然な境界条件の仮定の下で,時間大域解が存在することを証明した.この際,境界条件が十分な正則性を持っていても,構成された解は通常の弱解になるかわからないため,より一般化された解のクラスの導入が必要となる.
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Research Products
(1 results)