2009 Fiscal Year Annual Research Report
高次元複素力学系の無理的中立周期系とネヴァンリンナ理論の解析的研究
Project/Area Number |
21740096
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
奥山 裕介 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 准教授 (00334954)
|
Keywords | 複素力学系 / ネヴァンリンナ理論 / 無理的中立周期系 |
Research Abstract |
複素力学系における無理的中立周期系の定量的研究においては、高次元においては回転特異領域に限らずいわゆる複素領域の解析的一意化定理が確立されていないことが第一の困難な点であるが、研究代表者は複素解析学においてそのような場合に伝統的に用いられてきたネヴァンリンナ理論を用いて回転特異領域の定量的性質と射影空間上の正則自己同型写像の大域的非線型性とを結びつける研究を行い、両者に相互参照的な観点を与えた。一方で一次元の場合の理論の精密化を念頭に置き、外部場付きポテンシャル核を用いた重み付きポテンシャル論を用いて平均根分布に関する等分布定理のみならず種々の複素力学系に付随するポテンシャル論的不変量の具体的な計算の大幅な簡略化を与えることに成功するとともに、研究代表者により以前に得られていたヴァリロンの欠如指数の消滅定理に関してより精密な研究を行った。同時に有理型函数の無理的中立周期系の研究をネヴァンリンナ理論を中心とした値分布理論の観点から研究した。
|
Research Products
(1 results)