2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740097
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
冨田 直人 Osaka University, 大学院・理学研究科, 講師 (10437337)
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Keywords | 擬微分作用素 / フーリエマルチプライー / モジュレーション空間 / ベソフ空間 / L^p-有界性 |
Research Abstract |
A.Boulkhemair(J.Funct.Anal. 1999)はある不等式を用いることにより,モジュレーション空間を用いるSjostrand(Math.Res.Lett. 1994)のL^2-有界性に関する結果と,ベソフ空間を用いるM.Sugimoto(J.Math.Soc.Japan 1988)のL^2-有界性に関する結果をそれぞれ導いた.注目すべき点は,SjostrandとSugimotoの結果は互いに独立な関係にあるにもかかわらず,ある同じ不等式から導かれるのである.ここで,SjostrandとSugimotoの結果は,擬微分作用素論における基本定理であるCalderon-Vaillancourtの定理を含む興味深いものであることに注意しておく. 本年度は,BoulkhemairのL^2-有界性の結果をL^p-有界性に拡張することができた.Boulkhemair型の不等式をL^2からL^pに拡張することにより,例えばA.Miyachi(Math.Nachr. 1987)やM.Sugimoto(J.Fac.Soc.Univ.Tokyo Sect.IA.Math. 1988)のS_{0,0}にシンボルを持つ擬微分作用素のL^p-有界性に関する結果を改良することに成功した.きらに,このBoulkhemair型の不等式を用いることにより,モジュレーション空間にシンボルを持つ擬微分作用素のL^p-有界性を得ることができた.これは,SjostrandのL^2-有界性に関する結果を,L^p-有界性に拡張できたことを意味する. また,本年度は双線形フーリエマルチプライヤーの有界性に関する結果を得ることができた.具体的には,有界性を保証するために必要な双線形フーリエマルチプライヤーの滑らかさに関する仮定を弱めることに成功した.これまでの双線形の理論で用いられていた積分核の各点評価のかわりに積分評価を用いることが重要である.双綿形フーリエマルチプライヤーに対する重み付き不等式や双線形擬微分作用素を扱い,本年度の研究をさらに発展させたい.
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Research Products
(4 results)