2011 Fiscal Year Annual Research Report
非線型分散型偏微分方程式の解の漸近的性質に関する研究
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21740102
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
下村 明洋 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 准教授 (00365066)
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Keywords | 解析学 / 偏微分方程式 / 関数解析 |
Research Abstract |
偏微分方程式の関数解析的方法による研究を行った.主に,非線型シュレディンガー方程式をはじめとする非線型分散型方程式や,非線型クライン・ゴルドン方程式や非線型ディラック方程式をはじめとする非線型双曲型方程式の解の時間発展について研究した. 湯川型相互作用を伴うディラック・クライン・ゴルドン方程式系は2次の非線型項を持ち,その非線型相互作用は空間2次元の場合に長距離型相互作用と短距離型相互作用の境目に相当すると考えられる.空間2次元に於けるディラック・クライン・ゴルドン系の解の長時間挙動について研究した.具体的には,質量が共鳴条件を満たさない場合に,小さい初期値に対して,時刻無限大で漸近自由となる時間大域解が一意に存在する事を証明した(池田正弘氏と砂川秀明氏との共同研究). また,昨年度に引き続き,長距離型ポテンシャルを伴うハートリー・フォック型方程式の初期値問題の解の漸近形についても検討してみた.更に,非線型シュレディンガー方程式の初期値問題に於いて,時刻無限大で散乱しない解が含まれる状況(非線型シュレディンガー方程式の孤立波近傍の漸近挙動)について,情報を収集しようとした.この様な分野では,関数解析,関数空間論,フーリエ解析等の解析学と密接に関連があり,これらについても情報を収集し偏微分方程式への応用について検討・研究をした.
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Research Products
(2 results)