2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740104
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
澤野 嘉宏 京都大学, 理学研究科, 助教 (40532635)
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Keywords | 分数べき積分作用素 / 変動指数 / アトム分解 / 再生核 |
Research Abstract |
分数べき積分作用素の詳細な研究、関数空間の分割の理論、およびこれらの融合、発展について調べた。さらに、再生核理論の応用例として、チコノフの正則化法を線形微分方程式に応用した。 分数べき積分作用素について、2重以上の線形性を持っている場合は、積分不等式からは直ちに得られない有界性がいろいろ見つかっている。これらの有界性は微分方程式へ応用される。Morrey空間の言葉でこれらを記述するのが重要であるが、Morreyの枠組みだけでは収まらないことが分かったので、Orlicz-Morreyなる空間を導入して、さらにそこへの理論を拡張を試みた。Orlicz-Morrey空間において、極大作用素が有界となる判定条件を必要かつ十分の形で与えた。また、関数空間の分割の理論を用いることで、複雑な作用素の有界性や全射性などが簡単に示せることもBesov-Morrey空間などを用いて例示した。分割の理論は有用であることは、この例から見て取れるが、そのほかの関数空間においてもそれは正しいことを示すべく、荷重つきのBesov-Morrey空間などに対しても理論が形成できることを数理解析講究録に記載した。チコノフの正則化の応用例としては線形微分方程式だけではなく、ラプラス変換の逆変換に対する応用、写像の逆の陽的な表示などいろいろな応用を与えた。並行して、原稿となっている著書の内容を点検、加筆をし、読みやすくなるように斎藤三郎氏と協議した。
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