2012 Fiscal Year Annual Research Report
複素幾何光学解の解析に基づく数学的逆問題とその理工学への応用
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21740107
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
多久和 英樹 同志社大学, 理工学部, 准教授 (80403111)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | カ―レマン評価 / 弱擬凸性 / 双曲型逆問題 |
Research Abstract |
双曲型方程式を含む2階変数係数実主要型偏微分方程式に関して、フランス人2名(David Dos Santos Ferreira および Jérôme Le Rousseau)との共同研究を中心に研究を行った。主に今年度は2つの研究成果を得た。 1つ目をまず説明する。複素幾何光学解の構成に有効な1つの道具に重み付きパラメータ評価であるカ―レマン評価式があるが、これは重み関数が幾何学的条件の一種である強擬凸性を満たす場合に成り立つことはよく知られている。擬凸性が退化すると一般には問題が複雑になり、さらに局所的な特殊な場合にのみ従来の結果は得られている。今回共同研究を通じて、解の台の大きさを十分小さく取られなければならなかった従来の仮定を外すことに成功した。この結果自体も1980年台に Lerner-Robbiano または Hormander によって得られた結果の拡張になっている。また今回の結果の応用として、弱い擬凸性の下での複素幾何光学解の構成を楕円型に限らない2階実主要型作用素に可能となる大域的な相関数の構成とそれに関連したカ―レマン評価を得ることができた。 2つ目は、ローレンツ計量に関連した双曲型偏微分方程式に対する逆問題解析に関する問題の定式化と関連したディリクレ・ノイマン写像による逆問題解析の基礎理論に関して、線型な複素相関数を基盤とした複素幾何光学解による問題の定式化を行った。 以上の2つの結果を共同研究として、2本の論文作成を継続している。一部の結果は当該年度に国際研究集会で公表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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