2010 Fiscal Year Annual Research Report
種々の幾何学的発展方程式により記述される曲線および曲面のダイナミクス
Project/Area Number |
21740110
|
Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
岡部 真也 岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (70435973)
|
Keywords | 函数方程式論 / 変分法 |
Research Abstract |
平均曲率流方程式やポアンカレ予想の解決に至る解析において注目されたRicci flowなどに代表されるように、幾何学的発展方程式は現在に至るまで盛んに研究されてきた。しかし、個々の問題の複雑さから、その幾何学的発展方程式によって記述されるダイナミクスまで解明した例は稀である。本研究の全体構想は、種々の幾何学的発展方程式によって支配される曲線および曲面のダイナミクスを解明することである。特に、本研究の目的は以下で述べる3つの主題に注目し、それぞれの問題において曲線または曲面のダイナミクスを解明することである. 【主題A】ノイズを考慮した平均曲率流方程式に支配される界面のダイナミクス 【主題B】Shortening-Straightening流(S-S流)に支配される曲線のダイナミクス 【主題C】一様な圧力を受ける弾性閉曲線のダイナミクス 本年は主題Aについて得られた論文を投稿するとともに(現在査読中)、主に主題Bについて研究を行った。得られた結果は次のように述べることができる. (1)有限の長さをもつ平面非閉曲線に対するS-S流の時間大域的存在を証明した。 (2)無限の長さを持つ平面非閉曲線に対して、時間大域的なS-S流を構成した。 結果(1)においては時間無限大とするときに解の漸近挙動についてはまだ証明できていない。また、結果(2)においては初期曲線に対する解の一意性は得られていない。 これらは次年度における優先課題である。また、2010年6月に京都大学数理解析研究所にて開催した研究集会にM.Novaga氏(Padova大)を招聘し、本研究課題に関する意見交換、討論を実施した。
|