2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740114
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
坂本 玲峰 東京理科大学, 理学部, 助教 (30528055)
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Keywords | 結晶基底 / アフィン量子群 / 艤装配位 / ソリトン系 / 超離散 |
Research Abstract |
本年度はアフィン量子群の有限次元表現の代表的なクラスであるキリロフーレシェティヒン表現に対する結晶基底および関連する超離散可積分系の問題に関連して主に以下の二つのテーマについて研究を行った。(1)結晶基底のテンソル積の異なる表示として艤装配位と呼ばれる組み合わせ論的対象があるが、本年度はA型以外の非例外型艤装配位とA型の艤装配位とリトルウッド-リチャードソンタブローの積集合の間の一対一対応を構成した。これはシモゾノ-ザブロスキーによる多項式の恒等式に関する予想に対する組み合わせ論的背景を与えるものである。また本結果とキリロフ-シリング-シモゾノの定理およびルクベー-尾角-シモゾノの定理を組み合わせることによりいわゆるX=M予想と呼ばれる多項式の恒等式に関する予想を部分的に解決した。(2)ラム-ピリヤフスキーによってA型の幾何クリスタルのある拡張が構成されており、その設定のもとで通常の量子R写像の類似物(ハール関係式)が構成され、確かにヤン-バクスター関係式の解となっていることが知られている。そこでハール関係式の超離散極限を考え、行転送行列の類似物を考察した。結果として新しい量子可積分系(ボックス-バスケット-ボール系)が得られ、更にこの系は古典可積分系(ソリトン系)ともなっていることを証明した。得られた系は特殊な場合として高橋-薩摩(1990)による箱玉系を含み、単一粒子系である箱玉系に異なる種類の粒子を加えた拡張となっている。
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