2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740114
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
坂本 玲峰 東京理科大学, 理学部, 助教 (30528055)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | アフィン量子群 / 可積分系 / 結晶基底 / 艤装配位 / 箱玉系 |
Research Abstract |
本年度は前年度に引き続きD{(1)}_n型艤装配位(rigged configuration)の研究を行った。艤装配位とはBethe仮説の研究に関連して1986年にKerov-Kirillov-Reshetikhinによって導入された組み合わせ論的対象であるが、その後アフィン量子群の有限次元表現と深くかかわっていることが認識されてきた。特に対称性の深い理解にとって重要で、かつ他では得られない情報を得ることができることが分かっている。数理物理学の立場からは2006年にKuniba-Okado-Sakamoto-Takagi-Yamadaによって箱玉系と呼ばれる典型的な超離散ソリトン系の作用角変数に他ならないことが解明され、その結果従来の表現のラベルとしての役割にとどまらず対称性の作用するべき基底そのものの正準的な表示を与えていることが分かった。ただし艤装配位が本当にアフィン量子群の対称性を理解するために有用であることを確認するためには、現在までにほぼ満足が行く理解が得られつつあるA{(1)}_n型の場合を超えて他の型に対する場合を理解しなければならない。そこでまずもっとも基本的な場合として現在D{(1)}_n型の艤装配位の理論を構築している。前年度までに理論の核となる艤装配位の集合と結晶基底のテンソル積の元との間の全単射の具体的な予想を得ている。そこで本年度はその写像が実際に古典型のKashiwara作用素と可換になっていることを証明した。これはD{(1)}_n型艤装配位写像が代数構造を正しく保つことを意味しており、理論全体の一つの核となる部分である。証明には非常に精緻かつ長大な組み合わせ論的議論が必要であり、結果としては証明は百ページを超えるものとなった。この結果は将来艤装配位写像が組み合わせR行列を自明化するという最も重要な性質を証明するのに有用であると期待している。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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