2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740119
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
岡安 類 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (70362746)
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Keywords | 作用素環 / 離散群 / 自由群 / 郡環 |
Research Abstract |
N.P.Brown(Penn State University)とE.Guentner(University of Hawaii)によって導入された群環のC*-完備化についての研究を行った。まず可算離散群の有界関数全体からなる可換なC*-環の代数的なイデアルを考える。元の離散群が関数に両側から自然に作用しているので、両側作用不変なイデアルのみを扱う。彼らは両側作用不変なイデアルに付随した新しい群C*-環を定義した。両側不変作用なイデアルは必ず有界な台をもつ関数全体を含むことに注意する。最大のイデアルは自分自身である有界関数全体であり、普遍的群C*-環が対応している。また最小のイデアルは有界な台をもつ関数全体であり、被約群C*-環が対応している。更に彼らは離散群の性質とイデアルの性質の対応関係についてもいくつかの結果をだしており、大変興味深い。 私は彼らの提示した以下の予想について完全な解答を与えることができた。有限生成自由群と両側作用不変なイデアルであるp乗総和可能関数全体からなるイデアルを考えたとき、対応する群C*-環はpに対して互いに非同型であることを証明した。この結果は群C*-環の状態についての特徴付け定理の副産物として得られる。また群C*-環はただのつのトレース状態をもつこともわかる。ここですべてのp乗総和可能関数全体を含むイデアルとして、無限遠で消える関数全体が考えられるが、対応する群C*-環は普遍的群C*-環と同型になることに注意する。これより、無限遠で消える関数全体よりも小さなイデアルが考えるべき対象となる。最も基本的な例がp乗総和可能関数全体である。また固定したpに対して、p〈qとなるすべてのq乗総和関数全体の共通部分やq<pとなるq乗総和関数全体の和集合を考えても、対応する群C*-環は同型となる。よって、p乗総和可能関数全体が本質的な違いを与えていることがわかるo
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究集会やセミナーに参加し、他の出席者との活発な議論を通して、研究は期待通りの結果を得ることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究も基本的な進め方は変更しない。積極的に研究集会やセミナーに参加し、他の出席者との情報交換や討論をすることは最も効率的かつ効果的な研究手段である。
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