2012 Fiscal Year Annual Research Report
非線形分散型方程式の解の長時間挙動と特異極限について
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21740122
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
瀬片 純市 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (90432822)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 関数方程式論 / 数理物理学 / 漸近解析 / 調和解析学 / 流体 |
Research Abstract |
本年度は, 渦糸運動を記述する高階非線形シュレディンガー型方程式の特殊解である定在波解の安定性や, 水面波モデルである一般化Korteweg-de Vries方程式に対する解の長時間挙動について研究を行った. 3次元非圧縮, 非粘性流体中の渦糸運動の高次近似モデルとして現れる4階非線形シュレディンガー型方程式(4NLS)は, 通常の非線形シュレディンガー方程式と同様, 定在波解とよばれる時間周期的な特殊解を持つ. Hoseini-Marchantは2つのパラメータにより特徴付けられる空間非周期的な(4NLS)の定在波解を見つけたが, 定在波は空間変数につき振動項を持ち, その項をどのように処理すべきかが問題となる. 非線形シュレディンガー方程式の場合はガリレイ変換によりこの問題を回避することが出来るが, (4NLS)はガリレイ変換を持たないため同様の方法では定在波の安定性を証明することが出来ない. そこで(4NLS)の3つの保存量により定在波解を変分的に特徴付け, その振動項をコントロールすることにより, それらの定在波が軌道安定であることを証明した. 非線形分散型方程式の解は一般に, 孤立波と分散波(線形化方程式の解)の重ね合わせにより表現できると予想されている(soliton resolution conjecture). 本年度は, 一般化KdV方程式に対しこの予想が正しいかどうか考察した. 具体的には, 初期値が孤立波に小さな摂動を加えた形になっているときに, それを初期値とする一般化KdV方程式の解が時間大域的に存在し, 時刻無限大で漸近的に孤立波と分散波の和になっているかどうかを, 変分法的アプローチやスペクトル理論的アプローチなどを用いながら考察した.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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