2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740123
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
津田 照久 Kyushu University, 数理学研究院, 助教 (00452730)
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Keywords | パンルヴェ方程式 / 可積分系 |
Research Abstract |
UC階層とは普遍指標をタウ函数として許すような無限次元可積分系であり,KP階層の自然な拡張を与えている。UC階層に同次性と周期性を課して得られる有限次元可積分系がモノドロミー保存変形を記述することを示した。詳しくは、パンルヴェ第6方程式やガルニエ系を含んだシュレジンガー系のある族が自然に導かれる。例えば,パンルヴェ第6方程式の線形補助問題のうち最も標準的な2階・確定特異点が4点のものはUC階層に自然に由来していることが分かる。UC階層の波動函数と呼ばれる従属変数を選ぶことで、線形補助問題(ラックス形式)が得られる。変形される側の線形方程式のスペクトル型から、変形方程式がシュレジンガー系のどのような族を成すのかが分かる。さらに得られた有限次元可積分系に対し、ハミルトン正準方程式としての統一的な表示を与えた。興味深いことにそのハミルトン函数は正準変数の多項式となる。これはガルニエ系に多項式ハミルトン系の構造を見いだした木村弘信・岡本和夫両氏による結果の拡張と看做される。UC階層の立場から、当該のシュレジンガー系について様々な知見が得られる。例えば、タウ函数と双線形表示、ラックス表示、双有理対称性、普遍指標による代数的な解などである。UC階層とモノドロミー保存変形の関係は,パンルヴェ方程式の研究にとっても重要な課題であり今後も継続する。
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