2012 Fiscal Year Annual Research Report
複素Henon写像族のパラメータ空間の力学系的研究
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21740125
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石井 豊 九州大学, 数理(科)学研究科(研究院), 准教授 (20304727)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | Henon 写像 / 複素力学系 / Julia 集合 |
Research Abstract |
本研究では、 C^2 の複素力学系である Henon 写像に対して、iterated monodromy group とよばれる無限木の上の群作用を定義し、その性質を調べた。ここでの重要な点は、Nekrashevych による基本群の作用だけを考えるのではなく、Hubbard tree 上の力学系からアルゴリズミックに決まる「ホロノミー方向の作用」を定義に加味することである。ここから導かれる第一の成果は、この iterated monodromy group の作用から得られる極限空間がもとのジュリア集合と位相同型になることを証明した。また、この群作用をもとにして、記号空間の同値関係を記述する「オートマトン」とよばれる有限有向グラフを構成し、対応する商空間がもとのジュリア集合と位相同型になることを証明した。これは 2000 年頃に Ricardo Oliva が数値的な観察から複素 Henon 写像に対するオートマトンを構成した仕事の数学的な基礎付けを与えるものである。その一方で、Henon 写像族のパラメータ空間についての数値実験に基づく考察も開始した。特に、Chris Lipa の学位論文で示された、パラメータ空間の monodromy の情報に関する予想に対して、その現象を説明する位相的なモデルを構成した。ただし、このモデルが実際の Henon 写像族で実現されているかは未解決である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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