2010 Fiscal Year Annual Research Report
原始星アウトフローの長時間進化と星周円盤の形成過程
Project/Area Number |
21740136
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
町田 正博 国立天文台, 理論研究部, 助教 (10402786)
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Keywords | 系外惑星 / 惑星形成 / 星形成 / 原始惑星系円盤 / MHD / ジェット / 巨大ガス惑星 / 降着円盤 |
Research Abstract |
近年、直接撮像によって、中心星から10-100AU程度離れた場所で系外惑星が多数確認されている。これらは全て巨大ガス惑星だと考えられている。しかし、このような惑星がどうのようにして誕生したのかは分かっていない。この研究では、星周円盤中での巨大ガス惑星の形成過程を調べるために、3次元Resistive MHD多層格子法の数値コードを用いた大規模数値シミュレーションによって、円盤・惑星形成過程の解明を目的として研究を行った。 研究の結果、星形成前に出来るファーストコアという天体が星形成後に直接星周円盤になることが分かった。ファーストコアは、原始星の10-100倍の質量を持つため、原始星形成直後では、円盤の方が中心星より十分に重く重力的に不安定であることが分かった。また、このような円盤中では、分裂により原始ガス惑星が形成可能であることが分かった。惑星の形成現場、すなわちガスの分裂が起こる領域は、磁場の散逸領域と関係している。円盤の外周領域では、比較的面密度が低いために、イオン化度も高く、磁場と中性ガスはよく結合している。従って、この領域では、余分な角運動量は、磁気制動や原始星アウトフローによって輸送され、ガスは円盤の内側領域に流れ込む。他方、円盤の内側領域では面密度が高く、磁場はOhmic dissipationによって散逸する。そのため、磁場による角運動量輸送が効率的ではなく、ガスがこの内側領域に蓄積する。そのため、面密度が上昇し続けて、最終的には分裂が起き、ガス惑星が誕生する。計算した結果、このガスの散逸領域は、中心星から5-50AU程度離れた領域に分布していることが分かった。従って、この領域での分裂によるガス惑星の形成は、直接撮像されている系外惑星の形成を説明することが可能である。
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Research Products
(9 results)