2011 Fiscal Year Annual Research Report
ドリップライン近傍における原子核のエキゾチック構造と非束縛状態の役割
Project/Area Number |
21740154
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
升井 洋志 北見工業大学, 工学部, 准教授 (30396345)
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Keywords | 不安定核の構浩 / 殼模型 / 非束縛状態 / 核半径 |
Research Abstract |
ドリップライン近傍核の性質を解き明かすため、本研究ではM-schemeによるCluster orbital shell model(COSM)による弱束縛系の構造を中心に解析を進めてきた。平成23年度では、これまで進めてきたコア核の励起とその影響がもたらす価核子の配位の変化について、コア励起チャネルを含めたCoupled-chennel模型を用いた研究を行った。 昨年度までの研究において、sd殻原子核の酸素同位体では、Od_<5/2>軌道が占有される^<22>Oまでは固定された大きさの^<16>Oコア核に価核子が付加される模型でうまく半径およびエネルギーが再現できるのに対し、ls_<1/2>軌道に核子が入る^<23>O、^<24>Oでは平均場的に広がりを持つようなコア核と価核子の模型で再現されることがわかっている。そこで、この半径の広がり方において違う2つの描像が、^<23>Oを境に急激に変化するこメカニズムをコア核の支配的な配位の変化ととらえることで定量的な議論を行った。ここで重要な点は、励起チャネルにおいてはコア核内の核子の配位の変化により価核子の軌道の一部が禁止状態とることで、価核子がこの軌道に入ることが禁止されるために原子核全体としてこのチャネルの寄与が減少するということである。さらに励起チャネルはテンソル相互作用の効果で核半径が小さくなるような成分が支配的となり、基底チャネルでは平均場的に半径が広がった成分が支配的になると仮定することで、酸素同位体の半径の変化を再現することが可能であることを示した。
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