2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740155
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
奥村 健一 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教 (40403935)
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Keywords | anomalous U(1) / 超対称性の破れ / axion / フラーバー物理 / 繰り込み群 / 敷居効果 |
Research Abstract |
平成21、22年度の研究により、anomalous U (1)存在下でのD-flat方向の安定化においてmirage mediationを含めた様々な超対称性の破れが現れることが理解された。 anomalous U (1)が存在する場合、Green-Schwarz機構によるanomaly相殺のためにGreen-Schwarz (GS) modulusが必要になる。このとき一般にGS modulusに依存するFayet-Iliopoulos (FI)項が生じる。低エネルギー超対称性を実現するためにはU (1)電荷を持ったSM singletを導入してこれを相殺する必要がある。anomalous U(1)はGS modulusとSM singletの組み合わせの一方を吸収することで重くなり、別の組み合わせがmass lessのD-flat方向として残る。このD-flat方向が主にGS modulusで構成されているか、SM singletで構成されているかによってmirage mediation、mixed gauge-gravity mediation (sweetspot SUSY)など様々な超対称性の破れのシナリオが現れうる。これらの何れのシナリオが実現するかはGS modulusのKaehler potentialの形状或はGS modulusの起源に強く依存している。特にFI項が消える場合、anomalous U(1)に含まれるglobalsymmetryからQCD axionが自然に実現する。これらの結果はすでに論文にまとめられ、間もなく発表される予定である。また22年度はmirage mediationにシーソー機構を導入した模型においてレプトンフレーバーの破れを研究し、anomaly mediationと同様に敷居補正により繰り込み群の効果の一部が非自明に相殺されることを見いだした。この結果は日本物理学会2011年年次大会において発表され、平成23年度に論文にまとめられる予定である。
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