2009 Fiscal Year Annual Research Report
樹木年輪中宇宙線起源核種の分析による太陽活動および宇宙線量の長期変動に関する研究
Project/Area Number |
21740162
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮原 ひろ子 The University of Tokyo, 宇宙線研究所, 特任助教 (00532681)
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Keywords | 太陽活動 / 宇宙線 / 気候変動 / 宇宙線起源核種 / 炭素14 / 年輪 |
Research Abstract |
本研究の目的は、太陽活動および宇宙線飛来量の1万年スケールの長期変化の有無を明らかにし、太陽活動史および宇宙線変動史における現在の両者の位置づけを明確にすることである。申請者は、埋没樹木の年輪に含まれる宇宙線起源核種・炭素14のデータを1年分解能で取得し、太陽活動度の絶対値を反映するいわゆる太陽11年周期の周期長の伸縮を検出することで、特に議論が大きく分かれている7000年前頃における太陽活動度を厳密に復元し、太陽活動および宇宙線変動に1万年スケールの経年変化があるかどうかを検証することを試みている。本年度は、青森県の地層より7000年前に枯死したヒバの樹幹をサンプリングし、年層の分離、化学処理ののち、枯死年代の決定を行った。また年層毎の炭素14濃度の分析を東京大学およびオーストラリア国立大学の加速器質量分析計を用いて行った。高精度での分析により、太陽活動を反映する周期的な変動のシグナルが得られている。太陽活動の1万年スケールの長期変動については、これまでに相反する2つの説が出されていたが、その説の真偽を見分けられる精度のデータが得られつつある。次年度にさらに分析年代を拡張し、最終的な結論を出す。
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Research Products
(6 results)