2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740169
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
SHU Jing 東京大学, 数物連携宇宙研究機構, 特任研究員 (90534975)
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Keywords | 素粒子(理論) |
Research Abstract |
私は、暗黒物質とTeV領域の物理を研究しています。まず最初に、非弾性反応をしスピン依存性のある暗黒物質に注目します。このケースはDAMA実験のような経年変動を示す信号には現れますが、他の直接探索からの制限は受けません。ニュートリノからの制限を計算すると驚くほど緩い結果になります。なぜならこれは運動学的制約によって太陽の中の水素のような軽い元素が暗黒物質と反応しないからです。予想されるニュートリノ事象数を計算し、さらにアイスキューブ実験からの予想も行いました。同時に私は衝突実験からの異常な結果にも興味があります。ごく最近、テバトロン加速器で実験中のDO実験がB中間子崩壊から発生する同じ電荷をもつミュー粒子の電荷非対称性が標準模型の値から3.2シグマずれていると報告しました。我々はこの異常現象を説明するために、新たにU(1)_{b-s}とU(1)_{\mu-\tau}を提案しました。この新たなU(1)非対称性は、大きなマヨラナニュートリノ質量を引き起こす6重項スカラーによって敗れるSU(3)水平対称性の残骸です。私はさらに長寿命を持つ第4世代のケースを考察しました。この場合は第4世代ニュートリノの質量が比較的軽いので、電弱作用の精密結果への制限はずっと緩くなります。さらに、長寿命第4世代は電荷保存を追加するので、B-L=0が成りたつ場合でもノンゼロのバリオン数を持つことができます。長寿命第4世代のクォークがハドロン化すると、LHC実験ですばらしい信号が見えるはずです。
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