2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740173
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉本 茂樹 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特任教授 (80362408)
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Keywords | Dブレイン / オリエンティフォルド / S双対性 / 弦理論 / QCD / カラーの閉じ込め / 対称性の力学的破れ |
Research Abstract |
昨年度は4次元ゲージ理論におけるカラーの閉じ込めや対称性の力学的破れを超弦理論を用いて理解する研究を行なった。カラーの閉じ込めや対称性の力学的破れはQCDの低エネルギー領域での振る舞いを調べる上で最も重要な性質であり、古くからいろいろなアプローチでこれらの現象を理解する試みがなされてきたが、まだ完全な理解には達しておらず、今でもQCDや強結合ゲージ理論における重要な研究テーマである。我々は、この問題に対して、超弦理論におけるS双対性と呼ばれる性質を用いて解析する方法を提案した。まず、タイプIIB 超弦理論でDブレインとオリエンティフォルドと呼ばれるものをうまく配置することで、超対称性のない USp(2N) ゲージ理論を実現し、この系とS双対性によって結びつく理論が SO(2N) ゲージ理論であることが示される。USp(2N) 理論は低エネルギーで強結合になり、カラーの閉じ込めや対称性の力学的破れが実現されることが予想されている理論である。これに対して、SO(2N) ゲージ理論の方は低エネルギーで弱結合になり、理論の解析が容易になる。この SO(2N) ゲージ理論にはスカラー場が含まれ、摂動計算により、このスカラー場が非自明な真空期待値を持つことを示すことができる。これによって、大域的対称性の一部とSO(2N) ゲージ対称性が自発的に破れることが示される。これが USp(2N) 理論におけるカラーの閉じ込めや対称性の力学的な破れに対応することが議論できる。4次元の超対称性のないゲージ理論におけるカラーの閉じ込めや対称性の力学的な破れなどの性質を超弦理論における双対性を用いて議論できた初めての例であり、今後の同様の解析に対する足がかりとして重要な役割を果たすことを期待している。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Presentation] Hadrons from string theory2011
Author(s)
Shigeki Sugimoto
Organizer
The Fifth Asia-Pacific Conferences on Few-Body problems in Physics 2011
Place of Presentation
Sungkyunkwan University, Seoul, Korea
Year and Date
20110820-20110826
Invited
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[Presentation] QCD and String Theory2011
Author(s)
Shigeki Sugimoto
Organizer
Eleventh Workshop on Non-Perturbative Quantum Chromodynamics
Place of Presentation
l'Institut d'Astrophysique de Paris, Paris, France
Year and Date
20110606-20110610
Invited