2009 Fiscal Year Annual Research Report
暗黒物質対消滅にたいするゾンマーフェルト効果の研究
Project/Area Number |
21740174
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
松本 重貴 University of Toyama, 大学院・理工学研究部, 准教授 (00451625)
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Keywords | 暗黒物質 / 宇宙線 / LHC / ILC / 超対称性 |
Research Abstract |
本研究課題の主要目的は,暗黒物質の間接検出シグナル(暗黒物質対消滅あるいは崩壊からの高エネルギー電子・陽電子,反陽子,ガンマ線シグナル)の計算である.今年度は,暗黒物質対消滅において重要な役割を果たし得るゾンマーフェルト効果の計算を行い,同時に新たに報告されたPMELA実験の陽電子アノマリーやFermi-LAT実験のガンマ線観測データを説明する暗黒物質像について研究を行った.具体的な研究実績は以下のとおりである. 1. PAMELA実験における陽電子アノマリーを説明し,かつ他の観測(反陽子やガンマ線観測)と矛盾しない超対称性暗黒物質シナリオを構築した.具体的には重力子の超対称性パートナーであるグラビティーノについて研究を行った. 2. 上記模型をベースにして,他の超対称性暗黒物質でもPAMELA実験を説明可能かどうかについて調べた.具体的にはゲージ粒子やニュートリノの超対称性パートナーであるニュートラリーノやスニュートリについて研究を行い,これらの暗黒物質候補でもPAMELAアノマリーが説明可能であることを明らかにした 3. 上記研究で解析した暗黒物質候補について,ガンマ線を用いた暗黒物質の検出観測におけるシグナルを調べ,近い将来の実験で観測可能であるかについて調べた.
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