2009 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギー分解能CdTe検出器の開発-ダブルベータ崩壊探索に向けて-
Project/Area Number |
21740180
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
市川 温子 京都大学, 理学研究科, 准教授 (50353371)
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Keywords | テルル化カドミウム / ダブルベータ崩壊 / 放射線検出器 |
Research Abstract |
ニュートリノを伴わないダブルベータ崩壊探索を目指して、高エネルギー分解能のテルル化カドミウム半導体検出器の開発を行った。 フラッシュADCモジュールを用いて、さらに前置増幅器の時定数の最適化を行い、高い精度で波形情報を保存できるようにした。 既存の市販品である2mm角の素子からの信号について、上記の方法で波形情報を取り込み、波形が素子内の放射線反応位置の情報を反映していることを確認した。 市販品では、厚みは2mm程度に限られているが、本研究のため5mm×5mm×5mmの結晶素子を試作した。この素子からの信号の波形情報から、素子内で信号が減衰した分を補正する方法の開発に成功し、662keVのガンマ線に対し、2%(FWHM)という高いエネルギー分解能を得た。また、零囲気温度を-90℃から30°の範囲で変化させ、性質の温度依存性を測定した。低温では、正孔の易動度が低下することを発見し、また高温ではノイズが増加するため、最も良い分解能が得られるのは、0°付近であるとつきとめた。 大型化のため、さらに15mm×15mm×10mm(厚さ)の結晶素子の試作を行い、製作に成功した。
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