2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740183
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
梅原 さおり Osaka University, 理学研究科, 特任研究員 (10379282)
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Keywords | 二重ベータ崩壊 / 同位体濃縮 |
Research Abstract |
本研究では、二重ベータ崩壊核である^<-18>Caを、クラウンエーテル樹脂を用いた泳動実験により同位体濃縮し、大量生産に向けその濃縮効率を評価することを目的とする。本研究では、ニュートリノ質量<m_v>=30meV領域を検証するために必要とされる量50kg、同位体比2%の^<48>Caを準備するために、濃縮手順のパラメータ調査を行い、^<48>Caの大量濃縮の実現性を明らかにする。 本年度は、濃縮泳動実験のパラメータ調査のために、 1、 同位体濃縮のための泳動システムを構築した。このシステムは、泳動実験のパラメータ調査に必要な3mの泳動距離を持つシステムである。1mのガラスカラムを3本用い、それらを接続することで3mの泳動距離をとれるようにした。 2、 泳動システムを使用し、パラメータの一つ泳動速度、を変えた実験を行った。泳動速度は、0.33ml/分、1ml/分、3ml/分の3種類を行った。濃縮度(^<48>Caと^<40>Caの同位体比)の面からは、泳動速度0.33ml/分の実験で最も良い結果が得られたが、濃縮量も考慮すると、泳動速度1ml/分、3ml/分の実験で効率的な濃縮結果が得られた。 また、高同位体比の^<48>Caを得るためには、1000m以上の泳動距離が必要と思われる。そのためには、カラム内樹脂の洗浄による繰り返し使用の実現性を評価する必要がある。また、長距離泳動に対する樹脂自身の耐久性の評価も必要である。そのために、 3、 200m泳動実験を行い、高同位体比の^<48>Caを得るための長距離泳動の実現性を調査した。結果、長距離泳動の際の樹脂の繰り返し使用でも、樹脂は性能劣化を起こさないことが分かった。また、カルシウムはクラウンエーテル樹脂に一定量で吸着し、濃縮部を取り出すことが可能であることが分かった。さらに、これまでで最高の^<48>Ca/^<40>Ca同位体比0.0026(自然同位体比から30%増加)を得た。
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Research Products
(5 results)