2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740183
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
梅原 さおり 大阪大学, 核物理研究センター, 特任助教 (10379282)
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Keywords | 二重ベータ崩壊 / カルシウム / 同位体濃縮 |
Research Abstract |
二重ベータ崩壊核であり測定に大きな利点を持つカルシウム48を、クラウンエーテル樹脂を用いた泳動実験により濃縮し、大量生産に向けその濃縮効率を評価することを目的とする。カルシウム48は、二重ベータ崩壊の測定を行う際に多くの利点を持つ一方、自然同位体比が低いという不利点を持っているが、本研究の濃縮によってそれを克服できる。 カルシウム48濃縮をするために、本研究では下記の調査を行った。 1、濃縮の際の泳動実験パラメータの調査 2、泳動距離とカルシウム48の濃縮の関係の調査 項目1の調査のために、カルシウム溶液を3m泳動し、各種パラメータによる濃縮効果を比較した。その結果、泳動実験の際の泳動速度、カルシウム濃度、温度の最適な値を得、一桁の濃縮効率化に成功した。また、二重ベータ崩壊測定のための濃縮では、必要同位体比まで濃縮するために、長距離の泳動実験が必要である。その際に、クラウンエーテル樹脂の劣化によって濃縮効果の低下がみられないかの調査(項目2)が必要である。このために、本研究では、200mの泳動実験を行った。結果、前述の3m泳動の際の濃縮効果と同程度の濃縮性能を得た。最終的に、クラウンエーテル樹脂を用いた泳動実験によるカルシウム濃縮が、二重ベータ崩壊測定の高感度化に有効であるという結果を得た。
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Research Products
(6 results)