2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740187
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山口 昌英 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (80383511)
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Keywords | インフレーション / 非ガウス性 / 超弦理論 |
Research Abstract |
超弦理論で予言されるような高階微分項のある作用に対して、特別な組み合わせを考えると、運動方程式が二階の微分までになり高階微分項が現れない。このような高階微分項はガリレオン相互作用、また、そのような相互作用を持つ場はガリレオン場と呼ばれているが、そのような作用に対するインフレーション理論を提唱した。また、このモデルに対するダイナミクスを調べると共に、揺らぎの性質についてパワースペクトラムや非ガウス性について調べた。特にヒッグス場がガリレオン項を持つ場合に、カオティックインフレーションを起こすことが出来ることを示し、さらに、テンソル・スカラー比とテンソル揺らぎのスペクトルとの間の関係式が、普通のインフレーションモデルの予言からずれることを示した。 また、密度揺らぎについて、局所的な非ガウス性を予言する様々なモデルに対して、3点相関関数と4点相関関数の大きさについての予言を行い、それに基づいて、様々なモデルを将来の観測からどのように分類することができるかについて議論を行った。 インフレーションと現在の加速膨張は、両方共真空のエネルギーで説明することができるが、両者のエネルギースケールがあまりにも違うために、両者の間を関係付けるモデルはほとんどなかった。我々は、インフレーション中の揺らぎが、暗黒エネルギーの初期条件を与えうる可能性を提唱し、その場合には、インフレーションのエネルギースケールがTeVスケールに予言されることを示した。
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