2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740187
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山口 昌英 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (80383511)
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Keywords | 超弦理論 / インフレーション / 非ガウス性 |
Research Abstract |
運動方程式が二階までの微分項しか現れない最も一般的なスカラーテンソル理論(Horndeski理論と呼ばれる)におけるインフレーションを議論した。このインフレーションモデルは、これまで考えられてきたほとんど全てのインフレーションモデルを含むものである。このような一般的なインフレーション理論において、一様モードの運動方程式を与え、インフレーションのダイナミクスを議論した。また、インフレーション中に生成される密度ゆらぎやテンソルゆらぎのパワースペクトルに対する一般的な表式を求め、さらに、ゆらぎが安定である条件を与えた。 次に、この理論において、テンソル揺らぎの非ガウス性(特に三点相関関数)について調べた。三次の作用は2つの部分からなっており、一つ目は通常のアインシュタイン重力から導かれるものと本質的に同じで、2つの空間微分を含むものである。一方、もう一つは新しいタイプのものであり、時間微分を含むものである。前者は、squeezed型の三点相関を予言するが、大きな非ガウス性を出すことはできない。一方、後者は、equilateral型の三点相関を予言し、特別な場合には大きな非ガウス性を生じうることが分かった。 さらに、最近の観測により暗黒輻射の存在が示唆されている。Modulated reheatingシナリオにおいては、このような暗黒輻射が自然に作られることを示し、具体的なモデルに対して、どのくらい作られるかを評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超弦理論等で予言されるような非正準な運動項や重力との非最小結合をもつ理論におけるインフレーションが、通常の正準な運動項を持つモデルとどのような違いを産み出すか、また、観測的にどのように区別したらよいか、について理解が進んだから。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の計画であるmodulated reheatingシナリオにおける等曲率揺らぎについて調べます。
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