2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740194
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
明 孝之 Osaka Institute of Technology, 工学部, 講師 (20423212)
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Keywords | 中性子過剰核 / 中性子ハロー / 共鳴 / 中性子スキン |
Research Abstract |
本年度は、軽い原子核のなかでもHe同位体の構造に注目して研究を行った。 1. 7Heの構造:7Heは非束縛核であるために、その構造の理解が難しかった。そこで我々はα粒子をコア核としたα+n+n+nの4体のクラスター模型を用いることで、7Heの共鳴構造を解き明かすことに成功した。観測されているエネルギーや崩壊幅をよく再現するとともに新しい共鳴の予言を行った。ここで7Heの部分系である6Heは有名な中性子ハロー核であり、7Heの内部においてどのような状態であるのかは興味深い。そこで我々は7Heからの一中性子分離強度を求めることで、7He内部における6Heの成分を抽出することに成功した。結果として、7Heの基底状態では6Heの2+の共鳴成分が重要であり、一方、励起状態では6Heの0+のハロー状態がそのまま残ることが示された。 2. 8Heの構造:8Heは基底状態に中性子スキン構造が見られる。一方励起状態は全て共鳴であり、その構造は未知である。そこで我々はα+n+n+n+nの5体のクラスター模型を用いることで8Heの共鳴構造の解明を目指した。本年度は8Heの0+状態を5体共鳴として理論的に求めることに成功した。それは基底状態から2中性子が連続状態へ励起した構造であることがわかった。またその2中性子は0+の量子数を持つこともわかった。今後の実験による観測が期待される。
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Research Products
(16 results)