2009 Fiscal Year Annual Research Report
非線形・非平衡物理的視点からの宇宙のダークエネルギー問題
Project/Area Number |
21740199
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
森田 正亮 Nagaoka University of Technology, 工学部, 准教授 (50390563)
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Keywords | 宇宙物理 / 理論天文学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、宇宙のダークエネルギー・ダークマターの物理的実体やオーダーの一致問題を解明する上で、非線形・非平衡物理的な視点がいかに寄与するか、を考察することにある。平成21年度は、非一様構造によるエントロピーに関する考察、および修正重力理論に基づくダークエネルギーモデルに関する考察を行った。 宇宙のダークエネルギーに関して、現存までにたくさんの理論上可能なモデルが提案されている。これらの多くは、宇宙の一様な成分のみを考え、宇宙膨張が観測的に無矛盾であるように構築されているが、現実の宇宙は大規模構造などの非一様性を有している。そこで、非線形・非平衡物理的な視点から、非一様性がもたらすエントロピーについて考察し、その時間的増大性を詳細に検討した。その結果、エントロピーの増大性とダークエネルギーとの関連が部分的に明らかになった。また、ダークエネルギーモデルとして、現存さかんに研究されている修正電力理論によるものを考え、このモデルが加速的な宇宙膨張を与える場合に、標準宇宙モデルと比べて非一様性の進化、特に背景重力波にどのような違いが現れるかを定量的に計算した。 これらの研究に関して、東京工業大学の細谷暁夫氏、お茶の水女子大学の森川雅博氏、スペイン・バスク大学のRuth Lazkoz氏、長岡技術科学大学の高橋弘毅氏と議論を行った。また、その研究成果をパリ・ユネスコ本部においで行われた国際会議、およびスペイン・ビルバオのバスク大学において行われた国際会議で口頭発表した。
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Research Products
(3 results)