2009 Fiscal Year Annual Research Report
単離された単層カーボンチューブにおける励起状態ダイナミクスの解明
Project/Area Number |
21740225
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小山 剛史 Nagoya University, 工学研究科, 助教 (20509070)
|
Keywords | 光物性 / ナノ材料 / カーボンナノチューブ / 超高速現象 |
Research Abstract |
1) 非同軸光パラメトリック増幅器(NOPA)を用いた発光アップコンバージョン測定系の構築 NOPAを光源とした発光アップコンバージョン測定に向けて準備を行った。NOPAの出力パルスの時間幅は短く(<20fs)、かつ波長帯域も広い(550-750nm)。そこで、既存の発光アップコンバージョン測定システムの光学素子を変更し、NOPA出力パルスの使用に問題がないシステムへと改良した。また、NOPA出力パルスの特性を精確に評価するため、精密パワーメーターおよび分光器を準備した。NOPAの導入には既存のレーザーシステムとのマッチングが必須であり、これには時間が必要であるため、現在も導入作業を継続中である。 2) ポリフルオレンを用いて単離した単層カーボンナノチューブの作製および評価、測定 トルエン溶媒中における単層カーボンナノチューブのポリフルオレンを用いた単離化処理を、超音波分散および超遠心分離によって行った。励起発光測定によって、溶液試料中の半導体カイラルチューブの種類を評価、同定し、過去に報告されている結果と同様のチューブ単離度が得られることを確認した。また、この手法を用いて単離された単層カーボンナノチューブのペーパー状試料を準備し、発光アップコンバージョン測定によって励起子緩和ダイナミクスを観測した(学会発表)。この測定は、今後行う予定のNOPAを光源とした同測定の予備的実験として重要である。
|
Research Products
(3 results)