2010 Fiscal Year Annual Research Report
単離された単層カーボンナノチューブにおける励起状態ダイナミクスの解明
Project/Area Number |
21740225
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小山 剛史 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (20509070)
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Keywords | 光物性 / ナノ材料 / カーボンナノチューブ / 超高速現象 |
Research Abstract |
1.非同軸光パラメトリック増幅器(NOPA)の発光アップコンバージョン測定系への導入 高い時間分解能が得られるNOPAとレーザーシステムとのマッチングが完了し、発光アップコンバージョン測定系への導入を行った。一部の波長帯域(およそ1000nm)で単層カーボンナノチューブの発光を観測することに成功した。しかし、NOPA出力パルスの波長帯域が広い(550-750nm)ことに由来する迷光のため、単層カーボンナノチューブの発光帯域(850-2100nm)を広範囲に観測するには至っていない。そこで、発光アップコンバージョン測定システムの光学素子を変更、追加することによって、この問題を解決する予定である。 2.単層カーボンナノチューブにおける励起子エネルギー移動の観測 PFO(ポリフルオレン)で囲んだ単層カーボンナノチューブおよび未処理のチューブに対して発光アップコンバージョン測定を行い、チューブ間励起子エネルギー移動のレートを求めた(論文発表、学会発表)。励起子エネルギー移動はチューブ内励起子緩和と競合する過程であるため、本研究で主に対象としているチューブ内励起子緩和を議論する上で重要なパラメーターの値が得られた。 3.PFOで囲んだ単層カーボンナノチューブの濃縮 PFOで囲んだ単層カーボンナノチューブのトルエン溶媒中における濃度を超遠心分離法によっておよそ10倍上昇させることに成功した。発光アップコンバージョン測定では発光体の濃度が高いことが必要なため、ナノチューブの濃縮は今後の測定において重要である。
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Research Products
(10 results)