2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740232
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大橋 琢磨 Osaka University, 大学院・理学研究科, 助教 (20452419)
|
Keywords | 物性理論 / 半導体光物性 / 光物性 / 強相関電子系 / 高性能レーザー |
Research Abstract |
半導体の光励起状態(電子-正孔系)における金属-絶縁体転移(励起子モット転移)や量子凝縮転移を理解することは、レーザー発振への応用や光超放射の実現に向けた第一歩として重要であるうえ、基礎物理学としても非常に興味深い。しかし、このような相転移現象を理論的に正しく記述するためには多体相関効果を適切に取り扱う必要がある。本研究では、動的平均場理論(DMFT)を拡張した方法により、この系の励起子モット転移および量子凝縮転移を理論的に研究する。DMFTは格子フェルミオン系を解析する強力な手法であるが、電子-正孔系は励起粒子数が少ないため、格子模型ではなく、連続模型による記述が適している。そこで本年度の研究においては、連続模型に対するDMFTを定式化し、厳密対角化法を組み合わせることにより低密度電子-正孔系の解析を行った。この枠組みでは、連続系を離散化し、有限の格子定数を持つ格子模型にDMFTを適用することにより物理量を計算し、最終的に格子定数を0に外挿することで連続系の物性を調べる。現在までの研究により、離散化格子定数Δxと平均粒子間距離dの比Δx/dが1.0. 0.9. 0.8の場合について数値計算を行い、電子-正孔プラズマ相と励起子絶縁相の間の相転移点を決定した。Δx/d〓0.8の場合、格子定数が小さくなるほど電子-正孔プラズマ相が安定化する傾向が得られている。更に、Δxの小さな系に対する計算を実行し、格子定数を0に外挿することが今後の課題である。
|
Research Products
(14 results)