2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21740248
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤井 武則 東京大学, 低温センター, 助教 (80361666)
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Keywords | 銅酸化物高温超伝導体 / ネルンスト効果 / 電荷秩序 / ストライプ秩序 / 量子臨界点 |
Research Abstract |
銅酸化物高温超伝導体のネルンスト効果は、Tcよりはるかに高温からネルンスト電圧が増大することが報告されている。これは超伝導揺らぎによるものだと考えられているが、電荷秩序によっても大きなネルンスト効果が発現するという報告もある。LSCOの場合、ストライプ秩序と超伝導揺らぎの二つの影響が足し合わされており、分離して考えることが難しい。そこで我々は様々にストライプ秩序の強さを制御してネルンスト効果の測定を行っている。 La_<2-x-y>Nd_ySr_xCuO_4はNdをドープすることによってストライプ秩序が安定化する一方、NdをドープしたLSCOに圧力をかけるとストライプ秩序が抑えられることが報告されている。昨年度はNdをドープしたLSCOのネルンスト効果について研究したが、本年度は圧力下でそれらのネルンスト効果を測定した。 Ndをy=0.2ドープしたサンプルに圧力をかけるとT_<f1>~60K以下でネルンスト電圧が増大する。これはストライプ秩序が抑制されるため超伝導揺らぎが増大するためと考えられる。この温度は、ネルンスト効果に磁場依存性が現れる温度や、磁化率の異方性が変化し始める温度に一致しており、T_<f1>以下において超伝導揺らぎが発達すると考えられる。一方、ネルンスト効果はT_<onset>~150K以下でupturnを示すが、この温度以下ではストライプ秩序の揺らぎが発達すると考えられる。
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Research Products
(3 results)